
作曲:ヨース毛 2017.10.10【#dilettante cafe_waltz.(静岡県三島市)】にて録音。
≪作曲者コメント≫ -ヨース毛(Cello)-
皆さんこんにちは。
京都は紅葉シーズン真っ只中で、山の木々も、町の人々も、迫りくる冬を前にして、もそもそと、そわそわと、穏やかにざわついておりますが、木々が色づき、やがて葉を落とす前に、人々は本を開き、物思いに耽る準備をするのでしょう。賑やかだった季節も、こんがり焼けていた肌とも、しばらくお別れです。
今回はそんな季節の心にしっぽり納まる曲が出来たと思っています。
今回の曲ですが、ここで解説するのもなんとなく無粋な気がするので、僕も聴衆の一人として感想というか、抱いた印象というかをここに書こうと思います。
曲が頭の中で完成した時の印象は、『北欧っぽいな、寒いけど冬じゃないし雪もなくて、空は一面灰色の曇り空、辺りは草原か、あるいは湿原がずーーっと広がっていて、僕は小高い丘の上からそれを見下ろしている。風も無いから音もしない。静寂。あ、鳥が鳴いた? いや、ずーーっと静寂だよ。僕が来るずっと前からここには何もない。僕もいるのかいないのか…』
そんなイメージでした。
いざ録音してみるとまた少し違って、でも、次第に内にこもっていく感じは変わらず、穏やかに移ろう季節とリンクして、心地よく浮遊感に身を任せられる曲になりました。
何も無い、わけではない、曇天と草原、いや、湿原か、寒いけど冬じゃない、雪もないし、音もない、静寂、風? いや、ずーーっと静寂だ、この曲を聴くずっと前から、ここには何もない、ただ静寂だ、僕もいるのかいないのか、はたして君も、いるのか、いないのか…?